おやすみ、先輩。また明日

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10月半ば。

制服は冬服になり、気温も下がってきて過ごしやすくなってきた今日。


わたしは掃除当番を友だちに代わってもらって、急いで校舎を飛び出した。



「杏さん！」


「梶原さん！」



校門前に停まっていた黒いセダンから、梶原さんが降りて来ていつもの爽やかな笑顔で出迎えてくれた。


今日はこれからキッチンスタジオで撮影が入っている。

仕事で近くに来ていた梶原さんが、車で送ってくれることになったんだ。



「学校お疲れさまです」


「梶原さんも、お仕事お疲れさまです」



顔を見合わせて笑い合いっていると、下校する生徒にじろじろ見られたので慌てて車に乗り込む。


また変な噂を立てられちゃ大変だ。