おやすみ、先輩。また明日

梶原さんは初めて会った時から変わらず丁寧な物腰で、紳士的で、

車にふたりきりになっても安心して乗っていられる。


担当になったのが梶原さんで、本当に良かった。



「どうですか、学校は」


「え?」


「こちらのスケジュールがかなりタイトなので、学校の勉強と両立できているかと気になっていたんです」


「ああ。大丈夫です。わたしもともとそんなに勉強するタイプじゃないんで!」


「……それ、大丈夫なんでしょうか?」



しまった。

これじゃあばか丸出しだ。


授業をきっちり受けているだけだから、大丈夫だと弁解しておいた。


成績は悪い方じゃないし。

特別良くもないんだけどさ。

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