おやすみ、先輩。また明日
「では、例の甘い物が苦手な彼の方は?」
「あー……まあ、変わらずです」
梶原さんはわたしのブログを見ているから、わたしがヤンキー先輩に恋をしているのももちろん知っている。
それが片想いだということも。
赤の他人、それも男の人に知られてるっていうのがなんだか恥ずかしいんだけど、いまさらだ。
ブログってそういう不特定多数の人が見ている場所だから。
だからこそ面白いし、素敵な出会いがあったりするんだと思う。
「告白はまだでしたよね。されないんですか?」
「そうですねぇ……いまのところは」
「すみません。出過ぎた質問でしたね」
運転をしながら梶原さんは謝ってきたけど、嫌な感じはしてなかった。
梶原さんはわたしと適度に距離を作ってくれているから、いやらしさもないし全然平気。
「杏さん可愛らしいから、告白すればすぐにOKだろうにって思っていたので」
「そんなことはないです。……恋が叶うブログとか言われてるのに、管理人の恋はいつまで経っても片想いって、まずいですか?」