おやすみ、先輩。また明日


「くるくる。ウザミのことは無視しとけ。じゃないとどんどんウザくなるぞ」


「だからひどいって、藤。俺のことウザいとか言うの、藤くらいだから」



そう言いながらも、宇佐美先輩は気にした様子もなく笑っている。


たぶんこの人たちは、いつもこんな風に軽口を言い合ってるんだろう。

仲が良いってことだ。



「先輩たちも、部活だったんですか?」


「あはは、杏ちゃんそれ本気で言ってる? この藤が部活とかするように見えるわけ?」


「そりゃてめーもだろうが」


「宇佐美先輩はテニスとかやってそうに見えるけど、ヤンキー先輩は帰宅部以外の何者でもないって感じですよね~!」


「……おい」


「あはははは! 杏ちゃん言うね~。実際その通りだし」



大笑いする宇佐美先輩の足を蹴って、ヤンキー先輩は指でちょいちょいとわたしを呼んだ。

首を傾げて体をかがめると、おでこに容赦ないデコピンが飛んできた。

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