おやすみ、先輩。また明日
明後日は終業式。
そしてクリスマスイヴ。
わたしは須賀ちゃんやほかの女友だちと、家でパーティーをすることになっている。
ヤンキー先輩はきっと……。
「杏ちゃ~ん。クリスマスってどうするの?」
「えっ?」
帰りのHRが終わって部活に行く準備をしていたら、クラスメイトの子が話しかけてきた。
友だちと過ごすよって答えようとすると、隣りにいた子がそっと内緒話をするように耳元で、
「やっぱり噂の年上の彼と過ごすの?」
「きゃーっ! 今度色々聞かせてね!」
「え、えっと。ちょっと待って」
それはもしかしなくても、梶原さんのことか。
山中さんに言われて以来、梶原さんが迎えに来ると連絡がきた時は、学校から離れた場所で待っててもらうようにしていた。
だから噂も消えていると思ってたのになあ。