おやすみ、先輩。また明日


「それ、ただの噂だからさ~」


「またまたー!」


「隠さなくてもいいじゃん?」


「いや、隠してるわけじゃなくってね」



もう梶原さんとは直接会ってもいない。


わたしが出来る仕事がすべて終わったのはテスト直前のこと。

もうとっくにわたしの手を離れていた。



「冬休みにでもさ、遊ぼうよ!」


「その時詳しく聞かせてー!」


「だからね、あの人は……」


「桜沢さん!」



どう説明しようかと困っていると、突然教室がしんと静まりかえるくらいの大声で呼ばれた。


振り返ると、怒った顔の山中さんが。



「はやく部活に行かないと遅れるよ」

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