おやすみ、先輩。また明日
「あ、うん! そうだね!」
わたしはわたわたと鞄とコートを持って山中さんの元へと走る。
そして話しかけてきていたふたりに謝って教室を出た。
ふたりは不満そうだったけど、逃げられて良かった~。
「ありがと、山中さん。助かったよ」
「はっきり言ってやればいいのに。あんたたちには関係ないし噂されるのは迷惑だって」
「とても山中さんらしいけど、わたしにそれを言う勇気はまだないです……」
「まだって、じゃあいつになったら言えるの?」
「ごめんなさい言えないです」
仲良くなれても、やっぱり山中さんは手厳しい。
でもこうしてわたしを助けてくれたりするし、厳しく言ってもらえるのもありがたいって思えるようになった。
すっかりわたしは彼女が好きになっている。
「明日は部でクリスマスパーティーだねえ」
「料理して皆で食べるって、やることはいつもと変わらない気がするけど」