おやすみ、先輩。また明日


「いたぁっ!?」


「くるくるのくせに生意気だ」


「可愛い冗談じゃないですかー!」


「いや。あれ本気で言ってただろ」



バレてましたか。

舌を出したわたしに、ヤンキー先輩は苦笑する。


その笑い方が「しょうがねぇなー」と言いたげな、優しくてあったかい感じでどきっとした。

この人、なんでこんなにかっこいいんだろ。


ふと気付くと、さっきまで大笑いしていた宇佐美先輩が、笑みをニヤニヤしたものに変えてわたしたちを見ていた。



「なーるほどねぇ」


「なんだよ宇佐美。その顔うぜぇぞ」


「藤、浮気は良くないんじゃないの? 麻実(まみ)ちゃんに言いつけちゃおうかなー?」



突然出て来た名前にどきりとした


麻美って、あれだよね。
あの可愛いキーホルダーを作った、ヤンキー先輩の彼女。

ふーん。麻美って名前なんだ。



どんな人なんだろう。

年上? 年下? 同い年?
同じ学校かな、他校かな。



きっとあんな可愛いキーホルダーを手作りしちゃうくらいだから、女子力の高い可愛い人なんだろうなあ。

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