おやすみ、先輩。また明日

でもしょうがないか。

自分でもよくわからないけど、とても嬉しいんだ。


なんでだろう。


恋に奥手で消極的な山中さんが、積極的に動こうとしてるからかな。

それともわたしにこうして、恋愛のことを話してくれるようになったからかな。


どっちもな気がする。



「ち、チョコのことなら、いつでも相談に乗るから! なんでも聞いてね!」


「ありがとう。桜沢さんのレシピ本っていつ発売だっけ」


「え……。1月、冬休み明けの予定だけど?」


「チョコレートのお菓子も載ってるなら買おうかな」



気恥ずかしそうにそう呟いた山中さん。


胸がときめいてしまってつい彼女を抱きしめたら怒られた。


山中さんは意外と照れ屋さんだった。










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