おやすみ、先輩。また明日


「……もちろんだよ!」



恥ずかしそうにぼそぼそ言った山中さん。


わたしは泣きそうになった。


だって山中さんの方から相談に乗ってくれって!

頼りにされた!



「なににやにやしてるの? 気味が悪い」


「山中さん。それけっこうひどいよ」



こういうやりとりにも慣れてきて、山中さんとのおしゃべりを楽しみながら体育館に入ると、すぐに目立つふたり組みを見つけた。


2年の列の後ろの方で並んでしゃべっているヤンキー先輩と宇佐美先輩。

ふたりとも背が高いからすぐに目がいってしまう。


クラスの列に並ぼうとした時、ヤンキー先輩がこっちを見た。


目が合って、びっくりした顔をする先輩。


すぐに手招きされて、わたしは迷いながら列を離れた。

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