おやすみ、先輩。また明日


「桜沢さん。わたしやっぱりトリュフとか、つまめるものにしたい」


「重たく思われるのが嫌?」


「それもあるけど……。仕事の合間に、ちょっとつまんで食べてもらえたらいいなと
思って」



いじらしいことをもじもじと言う山中さん。

その姿に胸がぎゅーっとしぼられたみたいになった。



「山中さん……! 可愛い!」


「えっ!?」


「可愛すぎるぞ山中~!」


「やめてよふたりとも!」



恥ずかしがって怒りだす山中さんに、わたしと須賀ちゃんはからかうつもりなんかなく、純粋に可愛い可愛いと繰り返した。

だって本当に可愛いんだもん。



重たく思われたくないって気持ちもわかる。

先生って近いようで遠い存在だから、恋が叶うわけないって思っちゃうんだよね。


だからただの生徒として仲良くしていたいって思う。

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