おやすみ、先輩。また明日
わたしと同じだ。
わたしのヤンキー先輩に対する気持ちと同じ。
恋をすると、みんなちょぴり臆病になるんだね。
「わかったよ、山中さん。じゃあさ、ファッジはどうかな。チョコファッジ」
「ファッジって?」
「んーとね。キャラメルみたいなお菓子のことだよ」
わりと簡単にできるし、これならレシピを考えたら、山中さんひとりで全部作れちゃうかもしれない。
さっそくわたしはノートにペンを走らせた。
「ありがとう、桜沢さん。でも桜沢さんは自分のことちゃんと決めてる?」
「うん、一応ね。渡せるかどうかはまだ、わかんないけど……」
実はわたしがバレンタインに作る予定のレシピは、発売されたレシピ本に載っていたりする。