おやすみ、先輩。また明日

放課後。


今日は部活が休みだけど、特に予定もないから家に帰ってお菓子を作ろうか。


帰る準備をしながらふと窓の外を見て驚いた。


門のところに立っている、他校の制服を着た女子。

あれは間違いなく……。



迷ったのは一瞬。

わたしはマフラーをしっかりと巻いて、教室を出た。





「知ってるでしょうけど、ヤンキー先輩は修学旅行で北海道ですよ」



校門の前でそう声をかけると、相手ははじかれたように顔を上げた。


うるうるとした大きな瞳でわたしを見上げるのは、ヤンキー先輩の彼女、麻美さん。


辺りを見回したけど、前にいたお友だちたちの姿はない。

もしかして、ひとりで来たのかな。



「大吾くんがいないのは、知ってる。だから来たの。あなたに話が合って……」


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