おやすみ、先輩。また明日
「もう……大吾くんに近づかないで」
どうしてあのあとすぐに来なかったのか。
どうしていまになって言ってくるのか。
牽制する機会なら、もっと前にあったはず。
いま、ヤンキー先輩がいないこの時を狙ってここに来た理由は。
「あなたが現れなかったら、大吾くんはあんな風にはならなかった。
わたしに嘘をついたり、隠れてこそこそするような人じゃなかったのに……」
あなたのせいで。
麻美さんの大きな瞳はそう、わたしを強く責めていた。
「大吾くんと仲良くするのはやめて。あなたが大吾くんを好きになるのは勝手だとしても……彼女は私だから。そう言う権利はあるよね?」
そう、彼女はひとり。
目の前にいる麻美さんだ。