おやすみ、先輩。また明日


「スキ―どうだった? 滑れた?」


「あれ、言ってなかったっけ。俺と藤はスキ―経験者だから余裕だったよ~。ゲレンデでもモテちゃって困ったね」


「おい、ウザミ。お前と一緒にすんな」


「はあ~? 藤のかっこつけ」



またわたしを挟んで攻防を繰り広げるふたり。

そうか、やっぱり雪山でもモテちゃうんだ。



「ヤンキー先輩のウエア姿、かっこよかったもんね~」


「あれ? 杏ちゃん俺は?」


「宇佐美先輩もかっこよかったけど、チャラそうだった」


「レンタルウエアなのに!?」



宇佐美先輩は嘆いてるけど、しょうがないよねえ。

白いウエアが似合いすぎてたもん。


笑っていると、不意に肩をつかまれて引き寄せられた。

ヤンキー先輩の胸元に。


そして耳にかすれた低音が触れる。

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