おやすみ、先輩。また明日

わたしはあわててケータイを取り出した。



「ヤンキー先輩も、雪の写メありがとう!
すごいね、これ。結晶までちゃんと写っててとっても綺麗」



修学旅行先のヤンキー先輩から送られてきたメール。

添付されていたのはホテルのベランダで撮ったっていう雪の画像。


絵文字も使わないヤンキー先輩が、わざわざ写メを送ってくれたのが本当にうれしかった。



「わたし北海道行ったことないし、スキ―もしたことないから来年楽しみだなあ」



できることならわたしもヤンキー先輩たちと一緒に行きたかった。

1学年の差をこんなに感じたのははじめてだったよ。


それに……。


先輩たちは当然、わたしより先に卒業していってしまうしね。



年の差は埋めることができない。

仕方のないことだけど。


やっぱり寂しい。

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