おやすみ、先輩。また明日
「そんなに良い子ちゃんでいたいの?」
宇佐美先輩からはそう見えるのかな。
わたしが良い子ちゃんに。
全然そんなんじゃないのにね。
「なんていうか……いまのままじゃ、皆しんどいから。
わたしも麻美さんも、ヤンキー先輩も」
「藤も?」
「うん。だからわたしもそろそろ片想いを卒業して、前に進んだ方がいいのかなあって」
ヤンキー先輩を嫌いになったわけじゃない。
心変わりをして避けているわけじゃない。
これは自分への戒めなんだ。
わたしはヤンキー先輩を想う自分に、さよならすることを決めた。
「……いいの? それで」
「うん。バレンタインにチョコを渡して、終わりにするの」