おやすみ、先輩。また明日
そっとそれを冷蔵庫に入れて、エプロンをはずす。
明日は保冷剤を少し入れて持って行こう。
学校に着いたら、調理部の冷蔵庫で冷やしておけば大丈夫。
でも冷蔵庫の中はたくさん物が入ってごちゃごちゃしてる。
ちょっと心配。
「お母さん。冷蔵庫の中にケーキあるから、絶対にぶつけたりして崩さないでね」
リビングでテレビを見ているお母さんに声をかける。
いざ持っていこうとしたらぼろぼろ、なんてことがあったらわたししばらく登校拒否する。
「あらぁ。今年はケーキなの」
「あ、ううん。皆には別に、トリュフとクッキー作ったよ」
お姉ちゃんはトリュフが好きだし、弟はクッキーが好き。
ふたりともうるさいから毎年別々に作ってるんだ。
「あらあらぁ。じゃあケーキは誰用? もしかしてあのレシピ本の先輩かしら?」