おやすみ、先輩。また明日

そっとそれを冷蔵庫に入れて、エプロンをはずす。


明日は保冷剤を少し入れて持って行こう。

学校に着いたら、調理部の冷蔵庫で冷やしておけば大丈夫。



でも冷蔵庫の中はたくさん物が入ってごちゃごちゃしてる。

ちょっと心配。




「お母さん。冷蔵庫の中にケーキあるから、絶対にぶつけたりして崩さないでね」



リビングでテレビを見ているお母さんに声をかける。

いざ持っていこうとしたらぼろぼろ、なんてことがあったらわたししばらく登校拒否する。



「あらぁ。今年はケーキなの」


「あ、ううん。皆には別に、トリュフとクッキー作ったよ」



お姉ちゃんはトリュフが好きだし、弟はクッキーが好き。

ふたりともうるさいから毎年別々に作ってるんだ。



「あらあらぁ。じゃあケーキは誰用? もしかしてあのレシピ本の先輩かしら?」


< 331 / 356 >

この作品をシェア

pagetop