おやすみ、先輩。また明日
「じゃあ桜沢さん、頼むね。1人だけ経験者で大変かもしれないけど」
「ありがとうございます。大丈夫です!」
「うん。いつでも僕か部長に頼ってね」
優しくそう言った神林先生に後光が射して見えた。
なんて良い先生なんだろう。
たまに料理のアドバイスもくれるし、部活の顧問が神林先生で本当に良かったと思う。
山中さんはまだ怒っている風だったけど、それ以上何かを言ってくることはなかった。
それにほっとしながら、わたしは内心ため息をつく。
山中さんは多分、わたしのことが嫌いなんだろう。
嫌われるようなことをした心当たりはないけど、そうとしか思えない。
そういうわたしも、彼女のことが苦手だ。
嫌いとまではいかないけれど、好きとは思えない。
そんな風に思う相手ができたのは初めてで、色々戸惑っているところだ。
そろそろ個別に作ることを部長と神林先生に相談してみようかなと考え始めた。