おやすみ、先輩。また明日


「ちょっとちょっと~。山中、それは言いがかりってやつじゃないのー?」


「須賀さんは黙ってて! 桜沢さん。あなたが男子に渡す為に考えたレシピを私たちに教えてたんなら、吐き気がする!」



吐き気がするって、なかなかひどい。

いくらぼ~っとしてるわたしでもちょっと傷つく。


まずいなあ。

山中さんがヒートアップしてきた。


こうなると何を言っても止まらなくなるのはいつものことで。


こっちの騒ぎに気づいた先輩たちの目が痛い。



「……なんだコイツ」


「ヤンキー先輩?」



むっとした顔で、ヤンキー先輩が山中さんを睨んだ。

睨まれた山中さんの顔が一気に青褪める。


それはしょうがない。

ヤンキー先輩、見た目怖いから。



「こらこら、藤。お前外見凶悪なんだから、そんな怖い顔で女のコを睨んじゃダメじゃん」


「ああ? 俺のどこが凶悪だよ」


「いやいや、完全どヤンキーでしょ。ねぇ?」



宇佐美先輩に同意を求められて、わたしは苦笑い。

わたしも最初はヤンキー先輩にびびってたもん。

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