おやすみ、先輩。また明日
「正論振りかざしてるつもりなのかもしれないけどさー。俺にはジミーちゃんがやっかんでるようにしか聞こえなかったね」
「な、な、な……っ」
「杏ちゃんに対して劣等感みたいなもんがあるんじゃないの? 男、男って、自分がモテないからって可愛い杏ちゃんに嫉妬してるんだ?」
「え、ちょっと。宇佐美先輩何言って……」
「な、なんなの! この失礼な人! 最低!」
「あっはっは。図星だから怒鳴るしかできないんでしょー。わかりやすいなぁ」
「何笑ってんのよ! ふざけないで!」
よく見ると、山中さんの眼鏡の奥が涙目になっていた。
まさかあの気丈な山中さんが泣くなんて。
どうしようとあたふたしていたら、気まずそうに2年生の先輩が近づいてきた。
「ちょっとー……何やってんのよ、宇佐美くん」
「あ。マイコちゃん、来ちゃったー」
「来ちゃったーじゃないわよ。まさか本当に来るなんて。どうするのこの騒ぎ」
「俺はご馳走させてもらうだけのつもりで来たんだけどねぇ」