おやすみ、先輩。また明日

あとでまたヤンキー先輩に会える。

ウキウキしながら調理室の戻ると、山中さんが口をへの字にして俯き加減で立っていた。



「あー……えっと、山中さん」


「……何」


「その……ごめん、ね?」



ちょっとびくびくしながら謝ると、きつく彼女に睨みつけられてしまう。


あれ、なんで?

謝り方が悪かった?



「何謝ってるの!? 桜沢さんに謝られる意味がわかららないんだけど!」



そう怒鳴って、山中さんはトイレに行くと言って調理室を出て行った。


残されたわたしと須賀ちゃんは、目を合わせてため息をつく。



「まあ、いまのは桜沢が悪いよ」


「え? わたし、まずいこと言った?」


「だってさ、桜沢が謝るようなことあった?」



言われて気づく。


なんとなく彼女が傷ついたようだから、自分が悪いような気がして謝ったけど。

わたしは悪いことはしていない。と、思う。


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