おやすみ、先輩。また明日
優しいですね、先輩。
部活終了後。
走って駅前のマックに行くと、窓ガラスの向こうにカウンターに並ぶ先輩たちの姿が見えてほっとした。
本当に待っててくれたんだ。
わたしに気づいたヤンキー先輩が、ふと笑ったのでドキドキしながら笑顔を返す。
なんかデートの待ち合わせみたい。
まあ、2人きりじゃないんだけど。
「お疲れ、杏ちゃーん」
店内に入ると、宇佐美先輩がひらひらと手を振って迎えてくれた。
この人も、キツいことをはっきりと言える人なんだよなあ。
山中さんに言ったことは、ちょっとキツ過ぎたと思うけど、わたしを思って言ってくれたことだからなんとも言えない。
「どうした、くるくる」
「え?」
「元気ねぇな」
ヤンキー先輩、鋭い。
でも先輩がわたしのことを気にかけてくれたと思うと、悩みも吹き飛びそうになった。
「全然そんなことないですよ? わたしはめちゃくちゃ元気です!」