おやすみ、先輩。また明日
ヤンキー先輩の隣に座って、持ってきた紙袋から、ティラミスの入ったプラスチックカップを2つ取り出す。
使い捨てのスプーンも抜かりなく用意してあるのさ。
「お待たせしました。桜沢杏の力作、ほろ苦ティラミスで~す!」
2人の前に差し出すと、「おおー」と拍手された。
ちょっと照れるなあ。
「すごいじゃん。お店で売ってるティラミスみたいだよー。きみなかなかやるねぇ」
「あは。見た目だけです。お口に合うといいんですけど」
「くるくる。お前の分は?」
「え? あ、わたしは部活でちょっと味見してきたんで、いいんです」
わたしが食べちゃうと、宇佐美先輩にしかあげられなくなるから我慢した。
家でまた作ればいいし。
でもヤンキー先輩はスプーンを置いて立ち上がる。