おやすみ、先輩。また明日
「んじゃ、なんかオゴる。食いたいモンある?」
「ええっ? ヤンキー先輩、わたし本当にいいですから!」
「この間も美味いもん食わせてもらったし、礼くらいさせろ。マックなんて高くねぇんだから遠慮すんな」
先輩……かっこいい。
おごりなんて、彼氏みたいなことしてもらっちゃっていいのかな。
わたしは顔が熱くなるのを感じながら、小さく頷いた。
「じゃあ、キャラメルラテお願いしていいですか?」
「了解。ついでにお前、敬語もいらねーから」
そう言って、ヤンキー先輩はレジの方に歩いていった。
その背中を見送りながら、ほうとため息をついていると、それまで黙っていた宇佐美先輩が喉の奥で笑い出す。
「藤ってば、かっこつけちゃって」
「ヤンキー先輩は、かっこいいです」
「まーね。でも、彼女がいる男だよ?」
「べ、別にわたしはかっこいいって言っただけで、好きとかそういうことを言ってるんじゃ……」