おやすみ、先輩。また明日


「そういえば、話は変わるけど、あのあとどうだった?」


「あのあと?」


「ほらー。あのコンプレックスの塊りみたいなジミーちゃん」



まだジミーちゃん、なんて言ってる。


山中さんはあのあとトイレから戻ってきてもまだ怒っていて、結局ひとことも口をきいてくれなかった。

わたしってどんどん彼女に嫌われていっているんじゃないかな。


人にあからさまな敵意を向けられるのは初めてで、正直ちょっと戸惑ってる。



「またひどいこと言われたりしなかった?」


「言われてないです。……でも、謝ったら怒られました」


「は? 謝る? 杏ちゃんが謝ったの? なんで?」


「なんでって……」



理解できないといった表情の宇佐美先輩に顔を覗きこまれて、困惑しながら体を引いた時、ヤンキー先輩が戻ってきた。

身を乗り出していた宇佐美先輩を乱暴に押しのけて、わたしの隣りに座る。



「ほら、くるくる」


「え。ポテトにナゲットまで買ってくれたんですか? ……ありがとうございます、ヤンキー先輩」

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