おやすみ、先輩。また明日
プラスチックカップにストローを差して、意味もなく中身をぐるぐるかき混ぜる。
このカップみたいに、山中さんの心も透けて見えたら楽なのに。
「そうか。……うん。美味い」
さっきの宇佐美先輩みたいに、ヤンキー先輩はティラミスをひと口食べてあたしに笑顔を向けてきた。
でも宇佐美先輩の時より、わたしの胸はどきどきして、幸せな気分で満たされる。
「美味いよ、くるくる」
「良かった!」
「こういうの、分量とかも自分で考えて作ってんのか?」
「本を参考にしたりもする、よ。これは自分で考えて、甘さ控えめにしてコーヒーを濃くしたりしたの」
感心したように頷くヤンキー先輩。
あなたのことを想って作りました。
なんて、心の中で呟いてみる。