おやすみ、先輩。また明日
「忘れてんじゃなくて、ないものとして扱ってんだよ」
「それもっとひどいよね? さすがに俺もそろそろ泣くよ?」
「好きなだけ泣け」
ヤンキー先輩はこうやって宇佐美先輩の扱いが雑だったりするけど、それって仲が良いからできることなんだと思う。
ヤンキー先輩、宇佐美先輩の怖いところ、わかってるのかな。
いや、わたしが怖いと感じてるのは、結局自分に自信がないからだ。
自分の恋心を後ろめたく感じてるからだ。
「どうして私ってこうなんだろ……」
「なんか言ったか? くるくる」
ヤンキー先輩が、煙草を取り出しながら顔をのぞきこんできた。
意外と長いまつ毛と、綺麗な唇にどきりとする。
だめだ。全然だめ。
自信がなくても、後ろめたくても、この人を好きだという気持ちは止められそうにない。