おやすみ、先輩。また明日

それだってわかってる。


いや、わかってなかったかもしれない。

わかったつもりで、見て無ぬふりをしていた。



どうして宇佐美先輩は、こんなに突っかかってくるんだろう。

どうしてこんなに、キツいことをわざわざキツい言葉を選んでぶつけてくるんだろう。


もしかして……。




「宇佐美先輩は、麻美さんて人のことが……」


「はあ~? なんでそうなるわけ。冗談でしょ。俺あのコみたいな、女子~って感じの女子が一番嫌いなんだよね」



きみも結構そういう感じだよね。


そう言われて、ちょっと嫌な気分になった。


宇佐美先輩が何を言いたいのかわからない。

わたしのことが嫌いだと言いたいのか、わたしが麻美さんて人と似てると言いたいのか。


それともその両方なのか。


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