おやすみ、先輩。また明日


「お、おはよう。先輩」


「おう」


「わっ」



突然先輩に手を引かれて、隣りに座らされた。

急だったからバランスが取れなくて、先輩に抱きつくみたいな形になってしまった。



近い!

先輩の煙草の匂いが!

息づかいが!




「ま、こういうことだから。悪いけど」


「……わかりました」



どういうことなのかわからないけど、他校の女子たちはあっさりと別の車両へと去っていった。

どうなってるの?



「えっと、ヤンキー先輩?」


「ああ、悪いなくるくる。お前を利用させてもらったわ」


「利用って……」


「なんで女って集団で動きたがるんだろうな。俺女の団体って苦手だわ」



群れて同じことしてないと生きていけないのかよ。


なんて、うんざりしたようにヤンキー先輩は言う。

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