強迫性狂愛
放課後、先生に言われた資料を運んだ後トイレでお母さんにメールを打った。



お母さん、今日の夕ご飯は何?

また写メ楽しみにしてるね。

今から帰るとこだよ。



毎日お母さんとのやり取りは、夕ご飯の写真が専らだった。

もっと、話したいこととか色々あるはずなのに、メールで言葉にしていくとなんだかためらってしまって

結局いつもと同じ、「夕ご飯はなに?」のメールになってしまっていた。

話すのは、ちゃんと会って話したい、そんな淡い気持ちもあったんだと思う。


私は、お母さんのご飯が大好きで。

今だって、食べたい。

お母さんにレシピを教えてもらったり。

そんな、些細なこと。

夏休みには、またこのご飯が食べれるのだと…信じて疑わずに過ごしていた。

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