強迫性狂愛
――…
梅雨明け間近になってきたこの季節、流暢な英語を話す先生の声に耳を傾けながら
私はため息を零した。
……教科書がなくなるとか、
体操着がゴミ箱に捨てられるとか
そういうありきたりないじめなんかじゃないんだ、このお金持ち軍団は。
なんていったらいいの…?
なんで、こんなことに頭を使うんだろう。
私を困らせて、何か楽しいのかと思わず呆れてしまう。
目の前に広がる教科書は、見た目は英語の教科書なのに
中身は真っ白なものと入れ替えられていた。