強迫性狂愛
……ほんと、ある意味特注だよね。


「ほんと、ありえない…」


ボソッとつぶやいた言葉が、なぜか教室中に小さく響いたまま残ってしまった。


「なんだぁ?百花」


私の前の席に座る海斗が後ろをくるりと向いてきた。


「空耳じゃない?」


にこり、と笑って海斗をあしらうと


「宮原さん、149ページから読んでください」

「………」


バカ海斗!!

真っ白なんだから、教科書。

読めるわけないじゃないっ!


と、海斗を若干恨みながらイスを引いた。

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