強迫性狂愛
そのまま、見つめていると


「そういえば、もう体は平気か」

「え?体?」

「…溺れかけてから、少し調子が悪かっただろう」

「あ、あぁ…大丈夫だよ」


忘れてたよ、そんなこと。


「そういえば、プールで助けてくれた時…体は?大丈夫だった?」


毎日、薬を飲んでるって言うし、体どこか悪いんだよね?


「…あぁ」


あぁって…、大丈夫だったってことかな。


「そう、よかった」

「お前は…」

「ん?」


そう言ってから、迅の顔を覗いて、しばらく見詰め合ったかと思うとパッと視線を逸らされた。


「なに?」

「なんでもない」

「なになに?そうされるとすっごく気になる」


体を乗り出して、迅と無理やり視線を合わせた。

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