強迫性狂愛
別離
――…それから数日後
未だ騒がしさが残る教室で帰り支度をしていると、仲のいいクラスメイトに話しかけられた。
「ねー、百花、もう帰るの?」
「百合ちゃん。うん、もう帰るとこ」
「えー、帰りにちょっとお茶しに行かない?」
「えー、また?」
「うん。また!」
にっこり笑顔で誘われてしまうとなんだか、断れない。
「いいけど、どこに?」
「いつものとこでよくない?」
「いいよ、彼氏と喧嘩したの?」
「あ、やっぱりわかっちゃう?」
「わかるよ。百合ちゃんが私をお茶に誘う時は大概彼氏と何かあった時だもん」
「…そうなの。話、聞いてくれる?」
「いいよ、いこっか」
「ケーキ、おごるし!」
「ありがとう」
なぜか、彼氏もいたこともない私に、よく百合ちゃんは彼氏の相談を持ちかけてくる。
なんでも、ただ聞いてくれるだけでスッキリするんだとか。
私には、まだよくわからない世界だなぁ。
百合ちゃんが、話すのを聞きながら下駄箱まで行くと校門に人だかりができているのが見えた。