強迫性狂愛
「紅…なんだか別な意味でドキドキしちゃう」

「あはは…もうほんとに可愛くって、抱きしめたくなるわ。百花ったら」

「もうっ、紅ってば」


そう言って、紅の手をギュッと握ると


「もう、緊張はしてない?」

「え?…うん」


紅の優しい瞳に、思わず顔が綻ぶのが自分でもわかった。


優しい、優しい…お姉さんみたいな紅。

大好きだよ…。




大きくて、それだけで威圧感のある扉が開いて、背筋を伸ばして部屋の奥へと入っていく。

視線を奥に向けると、ソファーには迅のお母様であろう方が綺麗に着物を着こなして腰掛けていた。

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