強迫性狂愛
「……ふふ、本当に可愛らしい方ね」


にっこりとまるで聖母マリアみたいに微笑む迅のお母さんに、思わず笑顔で返してしまう。


「迅、あなたは残りなさい。少しお話と…ああ、そうそう。百花さん、お土産があるのよ」

「え?はい…」


そう言ってお母さんの前に行くと

小さな包みを渡された。


「たいしたものではないけれどね。私がとても大好きなものなの。だから、百花さんも気に入ってくださると嬉しいわ」


優しいお母様にしっかりとお礼を伝えてから、お辞儀をして部屋を後にした。


長く続く廊下を歩きながら


緊張していただけにホッとして、力が抜けていくようだった。

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