強迫性狂愛
「これ…」


壊れないように、そっと手で取ってみる。


「ふふ、敦子様らしい」


そう言って、懐かしそうに笑う紅に


「紅も砂時計もらったことあるの?」


そう聞いてみた。


「そうね、小さな頃に」

「そうなんだ…」

「綺麗な砂ね」

「うん…」


アンティークみたいな砂時計を静かに眺めながら…

大切にしよう、迅のお母さんの笑顔を思い出しながらそう思ったんだ。

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