強迫性狂愛
迅のパジャマの裾を咄嗟に掴みながら


「百花?」

「…自分の部屋で寝てたんじゃ…」

「自分の…?……あぁ、あれは海斗だ」

「え…?」


海斗が…なんで?

予想外の言葉に顔を上げて、目を見開いた。


「功はさっきまでいたし、海斗は勝手に俺のベッドで寝てたが」

「え…、じゃ、じゃあ、さっき、部屋暗かった、のは…?」

「部屋?…功と玄関で話をしてから、風呂に入っていた頃か?」

「…それから?」

「……ここに来たんだが」


迅の迷いのない瞳に、思わずふにゃふにゃと体の力が抜けていくのがわかる。

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