強迫性狂愛
それなら、私は?


どうして…


本当に迅が嫌なら、警察にでも駆け込むなり、また逃げ出せばいいのに


逃げ出さずに、こうして毎日側にいるのは



迅のことが嫌いじゃないから…



好き――…だから。




それでも、その言葉を口にしたら


迅からなんて言われるのか恐くて、何も言えない。



私は――…まだ、選べない。



恐くて、選べないよ…。



ぎゅっ、と瞳を閉じて


迅の冷たいままの手を握り締めて百花はまた、眠りについたのだった。

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