強迫性狂愛
なにが……あったの…?


慌てて、もう一度お母さんの携帯に電話をかけても通じることはなくて――…



「百花?」


我に返ったのは、迅の声と共に冷たい手が触れた時だった。



「迅……」


小刻みに震えたままの体を擦りながら、迅を見据えた。



「どうした」



「い……っ」



尋常とはとれない程の不安が私を支配していく。


私は、何かに取りつかれたかのように、運転手さんの席に乗り出した。

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