強迫性狂愛
「あのっ…い、急いでください!急いで……私の家に…っ!!」


突然取り乱す私に、運転手の人は驚きながらも返事を返してくれて

いつもよりも、早いスピードで車を走らせてくれた。



大丈夫。



何もない。



何かあるわけなんてない。



絶対に――…ない。



無意識のうちに迅の手を両手で強く握り締めていた。

その重なった手を見つめたまま、実家に着くまでの道のりを待った。

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