強迫性狂愛
目の前に広がる光景は俄かに信じがたかった。



なぜなら、今から出向こうと思っていた百花の家が


ものすごい音を立てながら燃えていたのだから――…




咄嗟にこの景色を百花に見せてはいけないと思い、自分の胸の中にしまいこんだ。


微動だにしない百花がこの状況が事実なのだと突きつけられた気がした。


その時鳴り響いた携帯の音に俺はハッと我に帰った。


「……功」

「迅?…どういうことだよ、これ」


功もこの近くにいるのだろう、周りはガヤガヤと異様に騒がしいのが電話越しに聞こえる。

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