強迫性狂愛
「…百花っ!」


人だかりの中で立ち尽くしている百花を見つけて、思わず後ろから抱きしめた。


呆然と、体中を震わせたまま目の前で燃え続ける自分の家を見つめている姿に――…


俺は、なんて言葉をかけていいのかわからない。


こういう時は…


なんて言葉をかけるべきなんだ。



百花の華奢な肩にまわした手に思わず、力を込めた。



「おか―……さ…」


百花がポツリと言葉を漏らしたかと思うと



「おっ…おとうさ……っ…」



苦しそうな表情のまま、勢いに任せて人ごみを掻き分けて前に飛び出していこうとする百花を必死で抱きしめる。

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