強迫性狂愛
「いや、それはわからない……ただ…」


「ただ、なに?」



真っ直ぐに俺を見据える百花に



この言葉を言うべきなのか、迷う。



お前の背負っているかもしれない人生を



俺が、ここで簡単に話していいのかと





「探す」


「……迅…?」


「必ず、探す。お前のご両親を」


「………」


「俺は、お前を巻き込んだ。俺の人生に」



だから



「必ず、見つけ出す」




たとえ――…




その結果が、果てしなく哀しくてどうしようもないものだとしても。

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