強迫性狂愛
「なんで、そんなに行きたいんだ」

「すごくいいって評判の映画なんだよ?そりゃ、見たいよ」

「すぐ、DVDが出るだろう」

「あの大きなスクリーンで見たいの!」


紅は、実家に戻ってすぐに海外に行ってしまったし。

ずっと家に閉じこもっているのなんて嫌だよ。

どこかに行きたい。


「それに、迅はあんまり人ごみは…」

「功」

「なに?どうしたの?」

「なんでもない」

「もー!教えてくれてもいいじゃない」


軽く怒りながらベッドに転がりこむ百花ちゃんの姿に、思わず吹き出してしまう。

迅が、側に置きたくなる気持ちもわからなくもない。
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