強迫性狂愛
「紅……、私ね…」

「うん?」


どっちがなぐさめているのか、わかないよ。この状況じゃ…

そう苦笑しながら


「生きてるって…信じてたいよ…」

「………」

「迅がね、約束してくれたの。私の両親を必ず探し出してくれるって」

「そう…、よかったわね」

「うん、よかった…」


迅がいてくれて、よかった。


紅が、いてくれてよかった。


みんながいてくれて、嬉しい。


涙が溢れてきそうになるほど、嬉しいんだよ。


みんなのことを思うほど――…

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