強迫性狂愛
「――…では、今年の体育祭の実行委員は十河 翔さんと宮原 百花さんで」


まばらな拍手が聞こえる中、壇上に立たされて、昨日来たばかりの転校生と並んで立ちすくむ。


やだなぁ。

前の学校なら…頑張ろうって気持ちになるけど

このクラスって…一致団結!とか目指せ優勝!とか…そういう活気溢れた感じしないもん。

当日、迅を誘ってさぼろうかな…


そんな邪なことを考えていると、目の前に手を差し出された。


「………?」


ゆっくりと隣をみれば


「よろしく、宮原さん」


金髪の彼……十河くんが手を差し出して微笑んでいた。


「あ…、はい。よろしくお願いします」


深々と頭を下げて、差し出された手に自分の手を重ねた。

そのまま、手をギュッと握られて、みんなに簡単な挨拶をしてから席に戻った。

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