強迫性狂愛

―――……


目の前にある南瓜のポタージュをすくっては、ひたすら口に運んでいく。

スプーンを口に入れながら、そっと斜め隣に座る迅を盗み見た。



『陰華の巫女は――…』



今日、聞いたばかりの十河君の話を思い出しながら、ゆっくりと南瓜のポタージュを食べ終えた。


「迅」

「どうした」


優雅に食後の紅茶を飲む迅に、話しかける。


「今日、一緒に寝ようね」

「…突然どうした」

「そうだよね…、なんか確かめておきたくなっただけ」


曖昧に笑う私を迅は訝しげな瞳で覗いてくる。
< 242 / 745 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop