強迫性狂愛

――今日、一緒に寝ようね。


いつもなら、そんなことは決して言うことのない百花を不思議に思い、いつもよりも早めに百花の部屋へと向かった。

灯りのともる部屋に入って、ベッドに視線を向ければ


「………」


髪の毛もろくに乾かさないまま、百花がベッドに横になりながら眠っている姿を捉えた。


スヤスヤと安定した息づかいに、なぜか俺の気持ちも落ち着いてそのままベッドに腰を下ろした。


未だに湿っている髪の毛を少しだけ手に取り


「百花」


静かに呟いた。

< 244 / 745 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop